4.戦闘
1)一撃離脱と格闘戦
2)空戦機動
- 一撃離脱戦法
上空から一撃を加えて離脱し、また高度を取って有利な位置を確保する戦法です。 エネルギー戦闘の原点とも言えます。 冷静な判断力が必要であり、仲間と連携するとこの上ない強さを発揮します。 一撃離脱戦法を使うには、ひとえにエネルギー管理をマスターしておく必要があります。
格闘戦
ストールファイトとも言い、本当の意味でのドッグファイトに当たります。 瞬間的な判断力と機体を操作する高度なテクニックが要求されます。一撃離脱から頃合いをみて格闘に入れば、とても有利に格闘を行えます。 ただし、適切な減速とタイミングが大切です。 中途半端の優位は、逆に自分にとってピンチを招くことがあります。 格闘に入る時は気持ちを切り替えて、アップテンポで絡むようにしましょう。
以下、私が実際に使っている技(?)のいくつかを紹介します。 一撃離脱・格闘、いずれの戦闘スタイルでも有効なはずです。 内容が零戦論やエネルギー理論とも重複しますがご容赦ください。3)空戦のセオリー
つばめ返し
これは私がかなり昔から使っている技です。 WBの中級者以上では、大半の人が使っているようです。 私の標語「速く回るな、早く回れ」をそのまま実行したような物です。 最も簡単なつばめ返しは次のように行います。
- 双方同一機種同高度で正対します。
- 距離5まで双方接近します。 HO射撃寸前まで引き付けます。
- ここで右に旋回します。 敵機が腹の下に隠れて見えなくなります。 しかも、敵機から一方的に撃たれることになります。 しかし、アングルオフが大きく弾は当たりません。
- 敵機と交差します。 敵機は射撃しつつ、腹の下から頭上に抜けて行きます。 コックピットから見て、真後ろを頭上に通過するはずです。 敵機も旋回をするでしょうが、この瞬間では頭上にケツを見せて飛んでいます。
- こちらはそのまま旋回し、敵の6時につきます。
初動で敵機の後ろを取る典型的な機動です。 私の場合はもう少し3次元的な機動にしています。 敵機と正対せず、左に30度程角度を付けて飛びます。(敵機を右側に見る) 距離が5を切ったら急上昇に移ります。 やはり敵機が射撃しながら真後ろを通過します。 そのまま頭上もしくは6時を取って攻撃に移ります。 もしも敵機が左右に旋回する場合、上昇中にロールして敵機を上部視界で視認します。 やはり降下して、頭上から攻撃します。
この技には二つの利点があります。
6時が取れなくても、かなり有利に格闘に入れるはずです。 元々は、高速で通り過ぎるFWを捕捉&撃墜する為に考案しました。 しかし、格闘に入る前の初期機動でも有効な事がわかり、それから多用しています。 旋回を始める距離は、敵機の速度に依存します。 敵機が高速で突っ込んでくる場合、それだけ早く旋回を始めます。 敵機が遅い場合、ぎりぎりまで待ってから旋回を始めます。
- ヘッドオンを回避する
- 交差直後に敵機の6時を取れる
私がつばめ返しの練習を始めたとき、思わず早く旋回してしまい、敵機の目の前でケツを見せて自滅していました。 大間抜けです。(^^;)
釣り天井
敵機と交差する前から緩やかな上昇を行い、敵機に急反転及び急上昇を強いる機動です。敵機が失速して降下を始める頃にこちらも反転し、敵機に一撃を浴びせます。 やり方はエネルギー理論に書かれていますので割愛します。
潜り込み
敵機の真下に潜り込み、敵機に急降下を強いる機動です。 真下に潜り込んでくる敵機は射撃しにくいものです。 急激にスティックを操作すればレッドアウトしますし、追随するには高度を捨ててスプリットSを行うか、上昇して反転しなければなりません。いずれにしても、攻撃側から距離をおくことができます。 敵機がスプリットSで反転しなければ、そのまま反対側へ加速して離脱します。 敵機がスプリットSをして来た場合、続くスライスターンでさらに敵機の下へ潜り込みます。 なお、高度1,000ft以下での潜り込みは最高の防御機動です。 無理に降下すると、敵機は地面に激突してしまうからです。
スライスターン
敵機が真後ろから迫ってくる場合に使用します。 やり方は簡単です。 敵機を後ろに見ながら、緩やかな上昇をします。 緩やかな上昇をするには2つの理由があります。敵機が距離15に迫ったら、135度ロールして一気に反転します。 斜め45度の背面旋回です。 場合によっては180度ロールによるスプリットSでもいいでしょう。 敵機との距離が5になる前に反転を終了し、敵機と正対していなければなりません。 これより遅ければ、撃たれる危険が増大します。 反転したら、潜り込みの要領で敵機の腹の下をすり抜けましょう。
- バックシートの上に敵機を見ながら行動できる
- 反転によるエネルギー損失を可能な限り抑える
もしも敵機がエネルギー戦闘を行ってくる場合、頭上で上昇し、エネルギーを保持したまま後ろ上方から追ってくるでしょう。 この場合はさらにスライスターンを繰り返します。 こちらは逃げる一方ですが、敵もうかつな攻撃はできません。 しばらく同じ事を繰り返す千日手状態になりますが、決して無理をしてはいけません。 先に動いた方が負けることになります。
スライスターンで躱し続けていると、大抵は優位側が我慢しきれなくなり、頭上から射撃しながら降下してきます。 余裕があれば突き上げ、さもなければ射撃を躱して敵機の後ろに回り込む努力をしましょう。 うまくやれば、状況を逆転できるはずです。
バレルロール
真後ろから敵機が迫ってきた場合に使用します。 ブレークするだけの余裕が無い場合や、高速機をオーバーシュートさせるのに最適です。 また、針路を変えずに射弾を回避するのにも役立ちます。 敵機に撃たれる危険を伴いますが、うまく決まれば敵をオーバーシュートさせる逆転技となります。 やり方や動きかたは様々な書籍に載っているのでここでは割愛します。なお、バレルロールを行うと、最初のうちはどうしても針路がずれ、きれいに回れません。 しかしながら、後で述べるように真っ直ぐ針路を変えずに行うことができれば、何かと便利です。 針路を変えずにバレルロールする練習をして、とっさの場合に備えましょう。
次のような場合に私は使っています。
バレルロールに敵機が追随すれば、それだけ速度を失います。 もしも、敵機がまともにバレルロールに追随し、速度を失っていれば、そのままシザースに持ち込んで反撃に転じましょう。 敵機が追随を諦めれば、上昇するか左右に旋回をするはずです。 すると、放っておいても敵が針路を変えて離れていきます。 こちらは針路を変えることなくまっすぐ飛ぶことができます。 しかも、少しは敵機もバレルロールに追随し、若干速度を失っているでしょう。 そうすると、なかなか追撃するまでの速度を回復できないはずです。 通常にブレークした場合に比べ、バレルロールでは比べ物にならないほど敵機から距離を取ることができます。
- ケース1:6時に付いた敵を引き離せない場合
- 敵機が優速であれば、バレルロールによりオーバーシュートさせることが可能です。 先に説明した潜り込みやスライスターンを行った後、敵機がスプリットSで追随してきた場合に使用しています。 しかしながら、よほどの事が無い限り、敵機がそのままオーバーシュートすることはありません。 実際には敵機が真横に並んだ段階でシザースに入ります。 ですから、バレルロールは敵機をシザースに引き込む準備機動とも言えます。
- ケース2:高速機から逃げる場合
- 味方基地へ離脱を図っている時にFWやP51に追われたとします。 ブレークして回避するのが確実ですが、燃料が不足してあまり時間的余裕が無い場合や、回避がうっとおいしい(実はこっちの方が私の動機としては大きい(^^;))場合に使います。
良いことずくめのバレルロールですが、危険を伴うことを忘れないように。 FWの1pingで羽根をもがれると、泣きそうになります。(T_T)
ハイヨーヨー
有利な立場を維持するために使用します。敵機を後ろ上方から襲ったとします。 敵機が左にブレークした場合、そのまま追随すると射撃が当たらないばかりか、大幅にエネルギーをロスしてしまいます。 そこで左斜め上へ上昇し、敵機を左側に見ながら旋回します。 再び降下して敵機を襲う事が可能です。 優位から敵機を攻撃する場合、一撃で撃墜することはまず不可能です。 敵機もこちらの接近を知っていれば、ブレークするタイミングを計って、的確に回避するでしょう。
私は一回目の攻撃を、単なる脅し程度に考えています。 敵機にブレークさせ、一旦速度を落とさせます。 こちらはあらかじめ敵機がブレークする事を予想して、敵機が旋回を始めるとすぐにハイヨーヨーを開始します。 敵機の旋回が終わった頃を見計らってすぐに第2撃目を加えます。
低速宙返り
格闘性能の高い機体で敵機と激しいシザースを展開したとします。 どちらも決定的な6時に付くことができず、双方HOに近い状態で旋回を続けている場合にこの技を使います。やり方は単純。 敵機とすれ違った直後に、敵機を追うように旋回するのではなく、ゆっくりと宙返りをするのです。 激しい機動でヘロヘロになっているにもかかわらず、失速しないよう慎重に操作すると、意外にも宙返りができてしまいます。(^^;) 敵機にすればまさか宙返りして来るとは思いもしないでしょうから、完全に意表を突くことになります。 しかも、正対した時には相手の頭上から覆い被さる形になるので、こちらがかなり有利になります。 この宙返りを実行するには、それなりの勇気と決断力が必要です。
また、「この速度なら宙返りができる」という正確な判断が重要となります。 もしも途中で失速し、中途半端な宙返りになると、未曾有の危機を招いてしまいます。 低速宙返りを行っているときは、敵機を視認する余裕も無いほど慎重な操作と集中力が必要です。 一瞬でも慌ててスティックを引いたら、そこで失速・スピン・墜落の憂き目を見ることとなるのです。
非常にリスクの高い機動ですが、シザースでのターニングポイントとなるのは間違い有りません。 ただし、このターニングポイントがどちらにとって有利になるかは、やってみなければ判らないものです。
突き上げ
上空の敵機を攻撃するための戦法です。上空で待ち構えている敵機がいたとします。 徐々に高度を上げながら真っ直ぐ敵機に向かうとどうなるでしょう? 敵機はこちらのエネルギー状態を把握しながらタイミングをはかり、ここぞと言う所で攻撃をしかけてきます。 こちらの攻撃も、余裕をもって躱してしまうでしょう。
突き上げは水平もしくは緩降下しながら加速し、敵機の真下から一気に急上昇して攻撃する戦法です。 敵機から見ると、相手が下に見えるため、エネルギーを過小評価してしまます。 敵機が降下してきた時、こちらは高速を維持したまますれ違い、今度は敵機の頭を抑える事ができるのです。
このような突き上げは、不利な状況から逆転するターニングポイントとなります。 さらに、真下からの攻撃は、躱すのが意外と難しいものです。 突き上げの速度が充分であれば、敵機がどの方向へ逃げても攻撃できます。
びっくりアタック
周囲の警戒を怠った敵機に忍び寄り、相手に気がつかれないうちに攻撃する事をびっくりアタックと呼びます。 私はあまりびっくりアタックの専門家ではないのですが、以下に私のびっくりアタック法を紹介します。
- 敵機が予想しない空域から侵入する
- 敵の進撃路に沿って接近すれば、必ず敵機に発見されてしまいます。 敵の進撃路を予想して、その後方(敵基地の裏側)もしくは側面から接近します。
- 敵機の死角から接近する
- 後ろ下方が死角なのは言うまでもありませんが、左右斜め後方や左右下方も意外と死角だったりします。 また、安全だと思われる空域を飛んでいる場合、真上もあまりチェックしていないものです。 通常、敵機の正面・後ろ・上・左右は、キーやハット操作により簡単にチェックできます。 しかし、8時方向斜め上等は、キーを3つ同時に押さなければチェックできません。
このように、キー操作が複雑な領域も、立派な死角と言えるでしょう。 同様に機体をロールしなければ確認できない正面下方も、普段あまりチェックしないパイロットが多いようです。 何も敵機の後ろ上方から敵機の真下に潜り込む必要はありません。 左右から素早く下に潜り込み、敵機の後ろ下方に移動しても、びっくりアタックとなりえます。 後方から追いすがるよりも、横から接近して潜り込んだ方が接近時間も短く、成功率が高いように感じています。 かえって真後ろ及び後ろ上は頻繁にチェックするので、真横からの接近に比べて意外と難しいのではないかと私は考えています。
トンズラ
変な名前ですが、私は勝手にこう呼んでいます。(^^;) これは敵機に襲われた時、スプリットSをすると見せかけて反対方向へ逃げるフェイント技です。 普通、防御側がブレークしたりスプリットSをする場合、そのまま180度ターンします。 それを知っている攻撃側は、その前に上昇宙返りして再び攻撃する位置取りをします。 そのウラをかくのがこの技です。敵機に襲われたら、何度かスプリットSをして躱します。 この時、敵機がスプリットSに追随せず、上昇して優位な位置を確保するようであれば、このトンズラが実行できます。
- まずスプリットSをするように背面急降下します。
- この段階で敵機を視認することはできません。 敵機が上昇宙返りに入る事を祈ってください。
- 垂直降下に入った所で素早く180度ロールし、機首を引き起こします。
- すると、高度を落として加速しつつ、同じ針路で飛び続けることができます。 その頃、宙返りした攻撃機は反対方向を向いており、目標はどこだと探しているはずです。
気が付いた時には反対方向へ一目散にトンズラしているのです。(^^;) これだけで逃げ切れるわけではありませんが、かなりの時間と距離を稼ぐことができます。
ただ、これが通用するのは1回、もしくは2回までで、それ以上やると学習した敵機の罠にはまる恐れがあります。 あまり頻繁にやると、かえって危険な技です。(^^;)
ジェットコースターダイブ
これはほとんど理論上の離脱技で、私も数回しか成功した事が無い幻の技です。(^^;) そもそも、この技を使う状況がほとんど無いと言った方が正しいのかもしれません。 これはロールの遅い敵機に対して使うと効果的です。攻撃側に真後ろから追われた段階で垂直降下に入ります。 敵弾を躱しながら、マイナスGで旋回をします。 攻撃側は楽に射撃をしようとして機をロールさせ、プラスGで追尾してきます。 この瞬間、攻撃側と防御側の姿勢が180度反対になっています。 攻撃側がロールし終わった時、防御側は一気にプラスGで反対側へ脱出します。 攻撃側から見ていると、まるでワープして逃げたように見えるはずです。 降下による加速でロール性能はかなり落ち込んでいるため、攻撃側はロールに手間取ります。 また、離脱を地表ギリギリで行うと、攻撃側はロールして追尾する暇が無くなり、反対側へ飛んでいってしまいます。 こうして攻撃側が追撃を始めた頃、防御側は遠くへ離脱してると言う算段です。
しかしながら、このような離脱は普通しませんね。(^^;) この技を思い付いて、実験的に試したら成功したと言う程度のものです。 なお、同じ理屈として、敵機に後ろから撃たれている時にマイナスGで旋回し、敵機がロールした所で反対へ抜けるのも可能でしょう。 防御側がマイナスGをかけると、エンジンカウルが邪魔で攻撃側は思うように追尾できませんし、無理をするとレッドアウトする危険もあります。 また、普段飛行機は上に飛ぶものと体が覚えているため、照準が甘くなります。 そのような状況に数秒慣らしてから一気に反対へ旋回すると、敵機はロールにもたつき、ある程度挽回することができます。
ただし、マイナスG旋回はレッドアウトする危険があるため、どうしても甘い旋回になりがちです。 正確な射撃で撃ち抜かれたら、ひとたまりもありません。 その危険を承知で、ジンキングのレパートリーの一つとして考えると良いでしょう。
Hi-Vulch
零戦論でも紹介した単機で複数の敵機と渡り合う為の戦法です。 考え方は今も昔も変わりません。敵機の頭上に占位し、距離が10を切ったところで垂直攻撃を加えます。 最も上昇してきた敵機を攻撃し、敵がダイブしたらまた上昇します。 敵がモタモタと上昇してくれば撃墜できますし、反転して躱されればまた上昇して敵機(群)の頭上を占位し続けます。 こうして相手に精神的&エネルギー的ダメージを与えます。
最近はHi-Vulch対策がしっかりしているため、なかなか思うように攻撃できません。 距離10まで上昇してくる敵機はほとんどいなくなった為、最近では距離15から垂直降下を始めています。 高速でも舵が利くようになったので可能となりました。 以前の零戦では、距離10以上の高度から垂直降下すると、敵機を射撃するどころかそのまま操縦不能になってしまいましたから・・・。(^^;)
これまでの私の経験から、空戦、特に格闘で勝つためのセオリーは、次のようなものになると考えています。
敵の動きを読んで先に動く
格闘では敵機の1秒後の位置を予測して行動を起こすようにします。 例え敵機が左側にいても、一秒後に右へ移動すると思えば、迷わず右を向きましょう。 敵機が左からこちらを射撃しようと迫ってきました。 敵の射撃が当たらなかった場合、どうなるでしょうか?おそらく敵機は真後ろを通り越して右側へ出て行くはずです。 ならば、射撃を躱した直後に右へ旋回しましょう。 容易に敵機の後ろに付けるか、射撃チャンスが生まれるはずです。
頭を押さえる
空戦を始める前に、敵機のエネルギー状態を正確に把握することは大切な事です。 また、高度と速度の関係や、アリーナでの距離の計りかたをきちんと理解しておかなければなりません。 毎分3,000ftの上昇率を持つ戦闘機で、高度3,000ftまで上昇するにはどれだけ時間がかかるでしょう? 答えは単純、60秒ですね。 つまり、高度差3,000ftの敵機を捕らえるには、素直に上昇しても1分間かかるのです。 では、3,000ftと言う高度はどのような距離でしょう?実は、真上から見て相手が距離10に見える位置が高度差3,000ftに相当するのです。 つまり、敵機の真上距離10を占位することは、相手に1分間の無防備な上昇を強要することなのです。 攻撃側にしてみると、相手を射程距離に入れるまで3秒程度しかかかりません。 このように、敵機との高度差3,000ftが、最も望ましい優位状態にあると言えます。
これが、高度6,000ft(距離20)になると少し状況が変わってきます。 ここから突撃を始めても、敵は余裕を持って回避できます。 距離10で真上に敵を持つよりかなり楽です。(不利には違いないですが・・・) なお、高度0でこのような状態になることを「死に体」と私は呼んでいます。 もう手も足も出なくなり、ここから挽回するには相手のミスを誘うしか方法がありません。 頭上距離10は、手も足も出せない「絶対死角」なのです。 距離10が約3,000ftという事を理解しておくと、何かと便利です。
例えば敵基地上空8,000ftを飛行しているとします。 敵機が真下距離20に見えました。 ここから突入して良いものでしょうか?
答えは「否」です。 敵機は自機の下方距離20、つまり約6,000ft下を飛んでいる事になります。 すなわち、ack圏内の高度2,000ftを飛んでいるのです。 ここから突入すれば、ackに撃たれる危険があります。
死角を突く
敵のパイロットから見えない位置に自分を置くようにするのは常套手段です。 一番良いのは敵機の真下もしくは、後ろ下方です。びっくりアタックをする場合、敵機の後ろ下方から接近するのが最も良いとされています。 敵機が上昇中であれば、より深く下から接近しなければなりません。 また、戦闘中に敵機が上昇し、それに追随したとします。 距離が離れていてすぐに撃てる状況に無い場合、真っ直ぐ敵に向かうのではなく、心持ち敵機の後ろ下方へ飛びます。 敵機はこちらを視認し続けようとして、自然に機首上げをしてしまいます。 こうして敵機に無理な急上昇を誘う事ができます。
懐へ飛び込む
戦闘機の機銃は前にしか撃てない構造になっています。 敵機の正面に位置しなければ、撃墜されることはないのです。つまり、平行して飛ぶ飛行機は、自分も撃つことはできませんが、敵も撃つことができないのです。 敵機ともみ合ううちに、真横に敵機が平行して飛んでいる状態になり、お互い攻撃も防御も難しい状況になったことがあると思います。 私はこのような双方手詰まりの平行飛行を、「懐に飛び込む」と呼んでいます。 敵機に後ろを取られそうになった場合、ただ逃げ回るのではなく、懐に飛び込んで手詰まりの状況を作り出すようにしましょう。 懐に飛び込んだ状態では有利不利がなく同等の状態になります。
先ほど、距離10で頭上に敵機がいる場合、絶体絶命のピンチであると書きました。 しかしながら、これが頭上距離2で平行に飛んでいる場合はどうでしょう?
この場合は逆にこちらが有利です。 敵はこちらを撃つ位置には居ません。 敵が次に取る行動は、降下・上昇・旋回ですが、そのいずれもこちらに有利となります。 降下する場合、こちらの目の前を降下していきますから、こちらも追尾が容易です。 上昇は最悪で、敵機は至近距離から銃撃されるでしょう。 唯一可能なのは高度を維持しながらの横旋回ですが、これでは手詰まりとなります。激しい格闘で、このように単純な状況になることはまれですが、似たような状況になることはあります。 敵機が上から襲ってきた場合、スパイラルダイブで下へ逃げます。 この時、ただ逃げるのでは無く、敵機の真下至近に飛び込むようにします。
- こちらが下を向いている時に敵機がコックピットから見て右上から旋回しつつ突っ込んできたとします。 こちらは機首上げをすれば敵機と正対に近い状況にできます。
- しかし、ここでは機種上げをせず、敵機が飛んでいくであろう方向と直角に(現時点では自分の左側)へグルッと90度ロールしてから機種上げをします。 操縦席から見て、敵機を右側に見る位置までロールしてから機首上げをします。
- 敵機はこちらの頭上を右から左へ飛び越えるはずです。 それに合わせるようにこちらも左へ急旋回します。
- これで敵機が右(外から見た位置関係では真上)に位置し、双方が左急旋回をしているはずです。 敵機からはこちらが左翼下に見えていますが、あまりに距離が近くて回り込めません。
しかも、ここからは上昇も旋回も不利です。 大抵の場合、翼を翻して降下してきます。 こちらは目の前を降下していく敵機に付いていけば良いのです。 こうして、攻守が逆転します。
ターニングポイントをつかむ
格闘を行っていると、必ずターニングポイントと言うものが存在します。 それまで不利だったのが逆転できたり、ほぼ互角だったのが真後ろに回り込めるようになる瞬間です。ターニングポイントは、なかなか思うようにやってきません。 なぜならば、これは自分で素晴らしい技を繰り出すことで発生するのではなく、相手がミスを犯した結果としてやってくるからです。 相手がミスを犯した瞬間に、適切な機動を行うことで、このターニングポイントを物にできるのです。 そのためには、ターニングポイントで取らなければならない機動を知っていなければなりません。
私自身、いくつかのターニングポイントと呼べる状況を経験で身につけていますが、言葉ではとても言い表せません。 敵機の速度や角度、そしてこちらのエネルギー状態により、「これならいける!」と言うポイントで適切な機動を行えば、貴重なターニングポイントをゲットできるのです。
詰め将棋を覚える
激しい格闘を展開すると、時として必勝パターンに持ち込める事があります。例えば、ラグパーシュートが行える状況が典型的なパターンです。 敵機の速度が乗っていないとき、優位から襲ったとします。 敵機は必死にブレークしますが、こちらは高速を維持しながら敵機の腹の下に隠れます。 ちょうど斜め上に、敵機が腹を見せながら旋回しているのが見えます。 この状態では、敵機からはこちらを視認できず、同じ方向に旋回を続けます。(※) いずれ敵機が旋回を緩める時が来ます。 その時は至近距離から撃ちごろの状態となります。 このような必勝パターンにはまると、私は心の中で「王手!」と叫んでいます。
格闘には、このような必勝パターンがいくつか存在します。 それらを頭にイメージし、そこへ持て行けるようになれば、格闘で勝つことが容易となります。 私はこれを、「詰め将棋」と呼んでいます。 詰め将棋のパターンにはまれば、後はその回答に従って撃墜すれば良いのです。 であれば、その状況まで持っていく努力をすれば良いことになります。 格闘の中には、このような詰め将棋のパターンが無数にあるはずです。 速度・高度・機体特性で様々に変化しますが、必勝のパターンとその場合の必勝の機動があるはずです。 できるだけ沢山のパターンを見つけ出し、そのいずれかにはまるように機動すれば、自ずと勝利が見えてくるのです。
- ※格闘の法則1:一度回りだした敵は同じ方向へ回り続ける
- 敵機がこちらを見失ったとします。 特に理由が無い限り、大多数のパイロットは同じ方向に回り続けようとする性質があります。 格闘で相手を見失ったとき、切り替えして決定的な危機を招くのが恐いのか、撃たれるかもしれないという恐怖心か、何故か同じ方向に旋回を続ける傾向があります。 これがわかっていれば、敵の死角に入ったとき、敵機がどっちへ飛ぶかわかるのです。
- 上を狙って追尾する
戦闘機は基本的に上へしか旋回できないようになっています。 敵機を追い回している場合は、必ず敵機のロールにこちらも合わせるように心がけます。 敵が右へバンクしたらこちらも右へバンクし、敵機が背面になったらこちらも背面にします。 戦闘機は上方向に曲がるようになっているので、追尾では敵機の少し上を目指して飛ぶようにしてください。
まれにマイナスGをかけて、反対側へ飛んでいく敵機がいます。 急激なマイナスGはレッドアウトしやすく、敵機もあまり急激な機動は行えません。 射撃を躱すための一時凌ぎでしかないので、慌てずに追尾します。 必ずマイナスGからプラスG旋回に移りますので、その瞬間を狙って射撃しましょう。
自分は動かず敵を動かす
シザースや極限状態での格闘においては、激しい機動を行わず、じっと動かない方が良い場合があります。例えばA機が図のように横旋回している中心で、B機が頭を上にして失速凝固しているとしましょう。
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この場合、A機はどのように急旋回してもB機を捕らえる事はできません。 まるでB機が同速度で反対に旋回しているように感じるでしょう。 しかし、実際はブンブン唸りを上げて凝固しているだけだったりします。(^^;) 私はこのような失速凝固を「ホバリング」と呼んでいます。
このホバリングも一つの格闘技として応用できないか研究中です。4)その他の豆知識
5)射撃
- 「不利」と言う名の有利
敵基地上空でHi-Vulchをする場合、自分は単機で敵機が複数上がってきたとします。 この場合、敵機は多い方が良いでしょうか、少ない方が良いでしょうか?敵機が1機であれば圧倒的優位で戦えます。 しかし、敵機が2機の場合はどうでしょう?
1機の頭上を抑えると、もう1機は離れて高度を取り、横から攻撃してきます。 敵機が3機になると、さらに状況は悪化するでしょう。 ところが私の経験では、敵機が4機を超えると、逆に楽になります。 真上に敵機がいれば、当然脅威に思うはずです。 しかし、味方機が3機も飛んでいると、「自分には攻撃して来ないだろう」と言う安心感が生まれます。 この安心感が油断を生み、逆に欲を出させます。 「早く上昇しなければ、他の仲間に撃墜を取られてしまう」と言う焦りです。 これによって、あまり警戒せず真下から上昇してくるのです。
これはHi-Vulchをする側からすると、非常にありがたい状況です。 敵が真下から上昇してくる限り、例え10機が相手でも戦い続けることができます。 一見すると敵機が増えて不利に思えます。 ところが、敵がそう思ってくれることが、こちらにとっては有利に働くのです。
回避のタイミングについて
理想的な回避機動は、敵機が射撃を始めようとする瞬間に行動を起こすことです。 敵は思わず急激な操作をして、エネルギーをロスするか、次の行動が遅れます。典型的な例を紹介します。 私が敵機を後ろ上から襲ったとします。 いざ射撃しようとした瞬間にブレークされれば、私はそこからハイヨーヨーに入らなければなりません。 しかし、敵機が手前からブレークを始めれば、こちらは余裕を持ってハイヨーヨーを開始します。 この差は意外と大きいものです。 慌てて一瞬の判断を誤り、思わず追随してエネルギーをロスするかもしれません。 ハイヨーヨーに入ってもタイミングが遅れ、その間に敵機との距離が開いてしまうかもしれません。 いずれにしても、絶妙なタイミングで回避する敵機は恐いものです。 それだけの度胸と腕を持っていると考えられるからです。
しかし、これには致命的な問題があります。 もし、もうワンテンポ早く射撃を始めていたら、もろに命中弾を食らいます。 ましてやネットワークのディレイで、敵機との正確な距離はわからないものです。 これを恐れて、私は早めに回避を始め、余裕をもって機動するように心がけています。
しかし、たまにものすごいブレークに合うことがあります。 MAで後方の見張りを怠って飛んでいる敵機がいます。 後ろから接近してさあ射撃と思った瞬間、敵機が左下方に何か発見したようです。 一目散に反転急降下され、いともあっさりと振り切られてしまったことがあります。 偶然とはいえ、このように絶妙なタイミングで回避されると、意外と追随が困難な事を経験したのでした。(^^;)
ドラッグ
敵機を後ろに従えてドラッグする場合、味方に助けてもらうにはそれなりのコツがあります。例えば、私が考える最高のドラッグは釣り天井です。 釣り天井に付いてくる敵機は、速度を極限まで落として、ほとんど空中に静止しています。 しかも、目の前の相手に意識が集中していますから、回避もせずにじっとしているのです。 私が危険を冒して釣り天井をしていたら、横から来た味方に獲物を取られ、大変悲しい思いをすることがあります。 しかも「tuki clear」とか言われた日には、泣きながら「thx」と言うはめになります。(T_T) そういう訳で、釣り天井をする味方に付いていくと、とてもおいしい思いができるはずです。(^^;)
さて、意識的に連携しながら敵機をドラッグするにはどうすれば良いでしょう? 残念ながら、この手の連携技を私は知りません。 しかしながら、私の経験から次のような戦法が良さそうです。
一機は上昇力の優秀な機体で釣り餌役をします。(例えばbf109Fや疾風) もう一機は、高速で一撃離脱に優れた機体を釣り針役とします。(FWやP51)
まず、釣り餌と釣り針は距離30以上離れて飛びます。 釣り針は少し離れた所で高度を取り、相棒の動きを注視します。 釣り餌が釣り天井を行う段階で、釣り針は一気に突入します。 釣り餌に敵機が食いついたころ釣り針は距離を詰め、敵機を攻撃します。 釣り餌と釣り針は距離をおき、一見連携していないように見せなければなりません。 釣り針は他の敵機と戯れて、「お前は知らん」というそぶりをみせます。 そうすれば、お魚は気兼ねなく釣り餌に飛び付くはずです。 釣り針は、釣り餌がお魚と正対した段階で突入を開始します。 お魚は釣り餌と正対した段階で、釣り餌に全神経を集中させるはずです。 そうすれば自ずと周囲の警戒が薄れ、釣り針の接近に気が付きません。 釣り餌が釣り天井を始める前に突入を開始すれば、釣り餌が本当に食べられる前に釣り上げることができるはずです。(^^;)
実はこれ、私が釣り天井をやっている後ろで一機の味方にヒョイヒョイと何機も食われ、最後に「nice drag」のセリフを残して持ち逃げされた経験から学びました。(^^;) なお、エネルギーも速度も余裕が無く、敵機が真後ろからまさに銃撃せんとするような、せっぱ詰まった段階ではどうすべきでしょう?
クリアしようと敵機の後ろに迫ったとき、いきなりブレークして敵機も一緒に旋回。 もう一歩で敵機を照準に収めるところでこれをやられると、味方に「曲がるんじゃねぇ〜」と叫びたくなります。(T_T)クリアする側から助言するならば、バレルロールで自分と敵機の双方を減速し、追ってくる味方に追いつきやすくします。 その後は激しいジンキングを繰り返して、敵の攻撃を躱します。 撃たれないために激しいジンキングをしても、射撃しようと照準を合わせる敵機はあまり激しい機動をしません。 つまり、さらに後ろから追ってくる味方にすれば、敵機は撃ちごろの動きをしているはずです。 思い切り左右にブレークするよりは、とてもクリアされやすい飛びかたと言えるでしょう。
また、「draging」と言いながら、真っ正面から突っ込んで来るのはやめましょう。 正面から来られても助けようがありません。(^^;) クリアしてもらいたければ、味方が回り込みやすいように、味方の左右斜め下へ飛びましょう。 味方は降下しながら加速して、敵機を後ろから襲ってくれるはずです。
カウントダウン
見えない敵のおおよその位置を推測するために使います。 格闘をしている最中に別の敵が現れた場合、絶体絶命のピンチとなります。 しかし、新手が一撃離脱に徹する戦闘機(FWやP51等)であれば、まだ望みがあります。これと同様の事が、つばめ返しや釣り天井にも言えます。 敵機を視界に確保していない場合、このような敵機の位置を推測することは、とても大切なことなのです。
- 距離15位の段階で敵機が自分に接近してくる速さを確認します。
- 距離15から14に変わる速さを頭の中で記憶するのです。
- そこから敵機がまっすぐこちらに接近してくると想定して、同じ速さで距離をカウントダウンします。 このカウントダウンする値こそ、敵機とのおおよその距離になるのです。
- 距離が5になった所で、少し急激な機動(旋回/降下何でもOK)を行います。
- すると、迫ってきた敵機の攻撃を、視認していなくても躱すことができるのです。
足を出さない
よく過速になるのを防ぐため、足を出して減速するパイロットを見かけます。確かに効果的な方法かと思いますが、相手にしてみれば「私は減速中です」と言っているようなもので、そこから全力急降下して脱出するタイミングを与えてしまいます。
また、足を出すことは、これから行う機動のヒントにもなります。 可能な限り相手にこちらの状況・意志を漏らさないためにも、安易な脚出しは控えましょう。 それよりも、エンジンを絞るだけで相当の減速ができるはずです。
追尾
射程距離外を逃げる敵機を追尾する場合、敵機の後ろ下方に潜り込みます。 降下により加速(一般的にはローヨーヨーと言います)で追いつきやすくなります。 また、敵機にしてみれば、後ろ下方の死角に潜り込まれるため、敵機を視認しようとして機首を上げるか、ラダーで尾部を振って確認するか、場合によっては旋回を余儀なくされます。 これにより貴重な速度を失い、こちらに追いつかせる結果となるのです。以前は威嚇射撃が有効だったのですが、最近は真横を通り過ぎる火線を見ても一直線に逃げるパイロットが増えました。 威嚇が通じないと、低速機には非常に辛い状況になります。 現在のWBにおいては、実際に弾を当ててPING音を聞かせなければ、威嚇効果がほとんど無いようです。
交差直後の機動
双方同程度のエネルギー状態で交差する場合、基本的には上昇するのが良いとされています。相手が横旋回するならば、そのまま頭上を押さえることができます。 敵機も上昇しているならば、少なくとも立場は互角なはずです。 このまま上昇から宙返りに入ると、頂点で敵機とヘッドオンになる場合があります。 ここでは回避する時間もエネルギーもありません。 少しでも早く旋回して敵機に初弾を叩き込むか、緩やかな上昇でさらに相手の頭上を押さえるか、いずれにしても厳しい戦いになるでしょう。 こうした事から、交差直後に上昇する相手を私は最も苦手としています。(^^;)
空戦は相手を射撃で撃墜することにより、終結となります。 そのため、射撃は戦闘における最も重要な行為です。6)複数の敵機を相手にした戦闘
有効射程
私が考える有効射程は5までです。直線で離脱を図る敵機に対して、距離5までならば有効弾を与えることができます。 それ以上では、まぐれ当たりでも無い限り、致命傷を与えるのは難しいでしょう。 20mmを連射しても、ほとんどが無駄弾となってしまいます。
敵機と激しい格闘をしている場合、距離2が最も射撃しやすい距離です。 敵機が低速ならば、距離3でも命中させられるでしょう。 最近の私の命中率は、22〜25%程度です。 零戦時代から、命中するときにしか射撃しないクセが付いてしまい、これだけの命中率が得られるようになりました。 本当は「当たるかもしれない」って所でラッキーヒットを狙えばいいんでしょうが、根が貧乏性なもので、ついつい「もったいない」と考えてしまうんですよね。(^^;) お陰で、帰還しても残弾がいっぱい残ってるということが、日常茶飯事になってしまいました。
攻撃と威嚇
私の場合、攻撃にはGUN1とGUN2を同時発射し、少しでも敵にダメージを与えるように心がけています。 小口径機銃は敵に与えるダメージが少なく、あまり攻撃には適していません。 それでも、少ないチャンスに可能な限りダメージを与えることを優先させます。20mmの着弾を確認するため、小口径機銃を使わない人を見かけます。 確かに一理あるのですが、弾の節約や着弾確認よりも、敵機に少しでもダメージを与える方が良いと私は考えています。 この辺は個人の考え方や戦術による所が大きいので、どちらが良いかは個人毎に判断するのが良いでしょう。
一方、威嚇射撃に大口径機関砲を使用するのは、あまりにももったいないです。 小口径機銃で、敵に火線を見せ付けてやりましょう。 できれば少しでも当てて、プレッシャーを与えるのがベストです。
見越し射撃
見越し射撃は2種類あると、私は考えています。一つは、敵機の後ろについて、逃げ回る敵機を撃つ場合です。 敵機の後ろについて射撃する場合、敵機の少し前を狙えば良いのです。 これは言われるまでもなく、ほとんどの方が行っていることでしょう。 弾が当たるポイントを狙って射撃するには、双方の速度や角度に依存します。 経験を積めば、自ずと身につくことでしょう。
もう一つは、優位から敵機に一撃を加える場合です。 ブレークする敵機に命中弾を与えるのは、非常に難しいものです。 しかし、練習を重ねることによって、その命中率は改善されるはずです。 見越し射撃が外れるのは、敵のコースを読み切れていないのが原因です。 旋回をせずに突っ込む攻撃側は、それだけ旋回性能が劣っている状態にあります。 敵機を照準に入れたまま、敵機の旋回に追随するのは不可能です。 射撃が当たらないならば、敵機の曲がる位置を予想して、予め機首を向けましょう。
私の経験で得た見越しのコツは、「思った以上に敵は曲がる」と言うものです。 敵機が旋回を始めると、たちまち速度を失い、こちらが射撃を始める頃にはコーナー速度でグググッと曲がっていきます。 直前まで当たりそうだと思っていた射撃が外れるのは、このような敵機の速度及び旋回性能の変化によるものです。 ならば、「敵機が今以上に曲がるポイント」へ機首を向けましょう。 慣れれば、少しだけ射撃チャンスが増えるはずです。
こちらが単機で敵機が複数、しかもエネルギー優位に無い場合、絶望的な気分にさせられます。 しかし、こちらが旋回性能で勝っていれば、撃墜できなくてもやられないように飛ぶことは可能です。 まず、基本は敵を固めるようにすることです。例えば、左前方と右前方から敵機が迫ってきました。 この場合、どちらの敵に向かうのが良いでしょう?
答えは、真ん中を突っ切るのです。 敵機が後ろに回り込んできて、一見不利に見えます。(不利には違いないのですが・・・) しかし、敵は自分の後方で合流し、2機ダンゴになって迫ってくることになります。 すると、こちらは敵が1機と思って行動すればよくなります。最も恐いのが、頭上を押さえられ、入れ替わり立ち代わり波状攻撃を受けることです。 もしくは、距離を置いて数秒の時間差で突入してくる敵機です。 1機を躱した頃にもう1機が突入してくる上、これを躱した頃には前の敵機が突入して来ます。 しかし、同時に2機がダンゴになって追ってくる限り、それなりに躱し続けることができます。
敵機の攻撃を躱す場合、ブレークして針路を変えると敵機に退路をふさがれ、また分散して攻撃される可能性があります。 この場合、バレルロールで躱すと、針路を変えずに済み、敵機は常に後ろから迫ってくる事になります。 とにかく針路を変えずに逃げ続ければ活路が見出せるはずです。 近くに味方基地や味方機がいれば、可能な限り早く逃げ込みましょう。
今度は逆に、複数の敵機を相手に、高度優位な状態で戦うとします。 この場合、敵機をバラけさせないように戦うのがポイントです。 群れから離れる敵機を追撃し、Uターンしたらまた敵機群の頭上に戻ります。 こうして敵機を自分の目の届くところに置き、バラけさせないように心がけます。 気分は羊を束ねる番犬ですが、一歩間違えると羊が狼に変身し、自分が食べられてしまいます。(^^;)