1.はじめにWBの空戦は実に様々な可能性を秘めたゲームです。 1対1の戦いでもいろいろな技やかけひきがあり、さらに多数の機体が入り乱れて戦うMAでは、無限の戦いかたがあることでしょう。今回の空戦論は私の経験を元に、戦術・機動・心構え等、様々な要素の集大成としてまとめてみました。
2.闘いの歴史
1)大空への第一歩(零戦との出会い)
私がWBに入って最初に乗ったのが、日本人なら誰もが憧れる零戦でした。 格闘専用に作られた零戦は、WBの中でも秀でた旋回性能を誇ります。 そのような零戦を使ってダンス(格闘)をするのは、とても楽しいものでした。2)1対1の闘い(誘い出し)しかし、零戦には欠点があります。 それは格闘性能と引き換えに、速度が遅いことです。 また、降下性能や高速時の操縦性も、お世辞にも良いとは言えません。
私は零戦を使って、いかに欧米の高速機と闘うか考えました。 敵機と高度のある所で戦えば、敵は必ずダイブして逃げていきます。 ならば、ダイブできない低空で戦うしかありません。 しかし、低空で複数の敵機に囲まれれば、生きて帰る術はありません。 なんとか、低空から生きて帰る方法を考えなければなりませんでした。
低空から生きて帰るには、1対1で戦うのが一番です。 私が最初に苦心したのは、いかに敵機を誘い出すかでした。(^^;)3)1対多数の闘い(Hi-Vulch)昔(・・と言っても2年ほど前の話ですが)の私は、敵基地の周辺をいつも低空で飛んでいました。 基地から上がってきた敵機を見つけると、視界ぎりぎりを低空で飛び続け、少しずつ基地から離れた人気の無い海へ誘い出すのです。(^^;)
基地から充分離れたところで一気に距離を詰め、まずは相手に攻撃させます。 こちらは零戦の旋回性能を活かして躱し続け、徐々に高度を下げていきます。 こちらは一切射撃せず、敵機が有利だと思わせておくのです。
海面ギリギリで相手の速度が落ちた所で反撃に転じます。 素早く敵機の後ろをとり、引き離されるまでに一連射を加えるのです。 敵が離脱するようであれば、7.7mmで威嚇射撃をします。 そうして敵機を格闘に引きずり込み、撃墜した後は悠々と帰るのです。 もしも余裕があれば、再度敵基地へ戻り、新たな獲物を待ちます。
大抵の場合、たった今撃墜した敵機がすぐに上がってきます。 頭に血が上っているため、それほど高度もとらずに追いかけてくるのです。 こうなるともうお客さんです。(^^;) そうして1機、また1機と同じ事を繰り返すのです。 こうした事から、私は1対1での戦い方を勉強しました。
この頃は、零戦相手にエネルギーが無くなるまで格闘を挑んでくるパイロットが多く、非常においしい思いができました。
徐々に苦しい状況になる事が多くなりました。 零戦の性能を熟知したパイロットが増え、思うように誘い込みに乗ってくれなくなったのです。 同時に、せっかく誘い込んでも早々に高度を取り直し、格闘に引きずり込む事が難しくなってきました。 零戦対策と一撃離脱戦法の技術向上が原因です。4)高度の闘い(釣り天井)さらに、WB人口の増加により人口密度が高まり、1対1で戦うことも少なくなってきたのです。 熟練パイロットが増え、それまで敵機を追い回す存在だった零戦が、逆に追い回される立場となったのもこの頃だと思います。 その頃のメインアリーナでは、Redが常に数的優位にあり、Greenに対して怒涛の攻撃を仕掛けてくる事が度々ありました。 敵機群に囲まれてひたすら逃げ回り、遂には基地陥落のメッセージを見るはめとなり、非常に悔しい思いをしたものです。 その対抗策として考えたのがHi-Vulchでした。
味方基地が攻撃を受けはじめた段階で、戦線を迂回して高度を取り、敵の発進基地上空へ進出するのです。 敵基地上空でこれ見よがしに旋回していると、敵は面白いように真下から上がってきてくれました。 Hi-Vulchのような戦いかたをする人が他に居なかったせいでしょう。 1機で多数の敵機を相手に戦うのは興奮の極致でした。
この頃に零戦での戦い方をまとめ、 HPで発表したのが「零戦論」でした。
徐々にHi-Vulchも有効ではなくなります。 Hi-Vulch対策(?)が徹底し、真下から上がってくる敵機はいなくなりました。 一旦距離を置き、充分高度を取ってから攻められることが多くなります。 この頃から零戦の限界を感じ始めました。5)エネルギー戦闘(エネルギー管理)おりしもWBのニューバージョンがリリースされ、Ki84(疾風)が使えるようになりました。 私はこの上昇力・速度・火力に魅せられます。 あっさり零戦を捨て、疾風に乗り換えてしまいました。(^^;) 疾風の操縦感覚は私に合っていたようで、とても扱いやすい機体でした。 私は疾風に乗りながら、零戦でやったような戦い方をしてみます。 Hi-Vulchではダイブ性能と上昇力が物を言います。
しかし、Hi-Vulch対策が充実してきたため、思うように攻撃できません。 どうしても敵機は距離を置いて高度を取り、横から攻められてしまうのです。 そこで私は、Hi-Vulchに変わる戦術を考えました。 それが釣り天井です。
元々零戦に乗っていた頃から使っていた技ですが、あくまでも相手の頭上を抑え、有利な位置取りをするための攻撃準備機動でした。 それを、反転からそのまま攻撃に移るように、もう一歩進めたのです。 これがまたヒットしました。(^^;) あまり釣り天井をするパイロットが居なかったため、ものの見事に引っかかってくれたのです。 Hi-Vulchで敵機が上がってくるのを待つ必要も無くなりました。 ある程度の高度からダイブして、同高度からすれ違った所で釣り天井を行うのです。 零戦では受け身だった闘いから、より積極的な攻撃へ変わっていきました。
この釣り天井を練習するにつれ、エネルギー管理を自然に学ぶこととなりました。
ある日、気分転換にP51Dで出撃してみました。 元々一撃離脱しかできない鈍重な戦闘機と考えていたのですが、意外にも非常に乗りやすい戦闘機であることに気が付くのです。 普段から釣り天井や潜り込みなど、エネルギー重点の戦法を多用していた私には、P51Dがエネルギー戦闘をするために生まれてきた戦闘機のような気がしました。 ダイブして過速になっても、充分エネルギーを保持してくれます。 また、機体が重い分だけズーム上昇が優秀で、エネルギー管理を容易にします。6)そしてド・スランプそして何よりも、P51Dは鈍重な戦闘機というイメージが、相手に油断を与えるようです。 P51Dは高速でダイブし、12.7mmをばらまいて離脱するのが当たり前だった頃、私はP51Dで釣り天井に明け暮れました。(^^;) 敵機はおそらく油断しているのでしょう。 上空3,000ft(距離10)で固まっているP51Dを撃とうと、懸命に真下から上昇して来ます。 そんな無防備な背中を、射撃の容易なP51Dで撃つのは非常に楽でした。 燃費も良く弾数も豊富なP51Dでは、1ソーティ5killなど、今までめったに出せない戦果がポツリポツリと出せるようになりました。
こうしたエネルギー管理の考え方をまとめ、 HPに発表したのが「エネルギー理論」でした。
この頃からいろんな飛行機に乗ることが多くなりました。 ある時はbf109Fの上昇力に魅せられ、またある時はコルセアの性能に酔いしれました。 しかし、どうしても拒否反応を示す飛行機もあります。それがF4Fシリーズです。 後部視界0の機体は、どうしても私の性格に合いません。 何しろ、F6Fで釣り天井をするのは非常にリスキーです。(^^;) また、同様に横視界の悪いP38も避けました。 さらに、単機での闘いが難しいFWシリーズも私の苦手な機種でした。 こうして、零戦・疾風・P51D・bf109F・F4Uと、様々な飛行機を乗り歩き、いつしか何屋だかわからなくなった月夜でありました。 それに伴い、スコアもぐ〜んと下がり、私が重視しているK/D、K/Sも頭打ちになっております。(T_T)
これまでの戦いを振り替えると、何か新しい戦術を考えて実行すると、必ず相手の意表を突くことになり、対策が編み出されて定着するまで、そこそこおいしい思いができました。 しかしながら、そのような新戦術を最近は全然思い付きません。
あぁぁ、誰か月夜に救いの手を・・・。(^^;)